今年の少年たちは悲劇だった

局メで発表された今年の少年たちの正式名称は「『少年たち』世界の夢が・・・戦争を知らない子供達& Summer Show!」でした。最初に見たときはなんかよくわからん壮大な副題がついてるぞって思った。でも実際見てみたら戦時中って設定がすごく効いてたなって思いました。


戦時中って設定は要所要所で散りばめられていたけどほんとに散りばめられるって程度で。がっつりそこを説明されたりとかそういうのはなかったと思う。だから、このお話に出てくる戦争っていうのも太平洋戦争とかそういう現実にあったものではないのかな〜って思いました。わたしには現代の話か未来の話に見えた。時間軸を特定したくて終わったあとに「8月20日 戦争」とか「赤外線 歴史」とか「鮭のムニエル 来日」とか検索したりもしたけどよくわからなかった(笑)もしも今年の少年たちが現代や未来の話だったら反政府運動のリーダーやってた丈くんっていままさに話題になってる安保どうこうの運動をしてる学生だったのでは??とかいろんな妄想ができて楽しかったんだけどね。だから時間軸どうこうの話はただの印象論です。


そして、本編のなかで戦争の話がでるのは看守側からが多かったっていうのはキーポイントなのかなって思いました。囚人のなかで戦争の話を出したのは日記係のオオニシだけだった気がする(ちがったらごめんなさい)。で、それはなんでだろうって考えたらやっぱり刑務所にいる少年たちにとって塀の外で起きてる戦争なんて全然現実味がないことだったんだろうなって思いました。オオニシがしてた戦争のはなしも「〜らしい」みたいな語尾だった気がするし。だから今回の副題にある「戦争を知らない子供達」っていうのは刑務所の中にいる囚人たちなんだろうなっておもった。


刑務所にいる少年たちにとっては刑務所での生活がすべてで。だからたとえ外の世界で戦争が起きているということを聞かされようが、刑務所のなかがこの世で一番陰惨で非道で残虐な場所だって思っていたのかなと思いました。だからきっと、外の世界には明るい未来があるって思っていたんじゃないのかな。つらい。


ニシハタの弟が危篤だと聞かされたオオニシの発案によって始まった脱獄作戦も、見てるこっちとしては脱獄したって外の世界は戦争してるんだよ???って思うけど、少年たちにとっては希望を持った選択だったんだと思うから、つらい。なんで全員で脱獄する必要があったのかって言われたらそれはやっぱりみんな現状に不満を持っていて、ここを出さえすれば何かが変わるってみんな心の中で思ってたからなんじゃないかなって思います。


そして最後のつらすぎポイント。いままでの少年たちはひとりは死んでしまうけど大多数の少年たちにはなんだかんだで未来とか希望があった。それをわかりやすく表してたのが舞台終盤にあった「10年後の少年たち」だと思います。だけど!今年は!それがない!つらいいいいいい!つらい!だってそれイコール察しみたいなところある!!!これが今年の少年たちは悲劇だなって思ったとどめでした。


戦時中の世の中には少年たちが求めてた未来なんてきっとないし、そもそも生きれいられるかすらわからないのに、少年たちには未来しか見えてなかったんだろうなって思うとつらくて悲しくて無念。マサカドの未来を掴むんや的なセリフとか思いだすとほんとに悲しくなる。マサカドに未来掴ませたかったよ〜〜!マサカド〜〜〜!!たぶん看守は少年たちが外の世界に出たとして明るい未来があるわけではないってことをわかってるし、わかった上で世の中は戦時中でなんちゃらかんちゃらって警告もしてたんだと思う。警告っていうか脅しかな。だけど、戦争の実情を知らないで、刑務所内での青チーム赤チームの争いを軽々しく戦争ごっこと言っちゃうくらいだしたぶん少年たちはほんとに戦争について無知だったんだろうなって思います。うまい言い回しが思いつかないけど!


ここまでなんども書いたけど、今年の少年たちは少年たちが未来を手に入れようともがいた結果いろいろありながらなんとか出所までこぎつけたのに、戦時中って設定のせいでその先の未来が全く想像できないっていうのが救いようがない悲劇だったなって感じでした。だから、物語の大筋はいままでのものとほぼ変わらないのに、全く違う少年たちになっていたなって。ほんと、戦争だめ絶対。。。


でも、今年の少年たちのこの内容は戦後70年とか安保がなんちゃらとかそういう今にめちゃくちゃタイムリーだったなとおもいます。それを狙ったのかな?真意は分かりませんが。とにかく、わたしみたいな意識の低い大学生(しかもニート)(しかもおたく)でも戦争無理やだつらい戦争はだめ!!!って思ったからそれだけでなんかこうメッセージ性があったなって感じです。冷静に考えたら、ジャニーズの舞台にメッセージ性とか意味とか求めるのナンセンスだよなってわたしも思うけど(笑)でもそんな感じでした。


わたしは戦争ものとか観たり読んだりしても戦争っていう設定自体にだいぶ引っ張られちゃうところがあるから今回もだいぶ偏った見方をしちゃったかもしれないけど、とにかく今年の少年たちはいままでとは一味違ったな〜って。死んじゃうのが日記係じゃないこととかちゃんと考えてみたらまた面白い(?)のかもしれないけど、戦時中って設定の威力がとにかく大きすぎたので今回はそこまで考えられなかった。


まあここまで悲劇だとかつらいとかってめっちゃ書いたけど笑えるところもいっぱいあったしかっこいいところもいっぱいあって少年たち大好きマンすごい楽しかったです。千秋楽までがんばれ日本〜〜〜!!!